2013年1月19日

FXにおける資金管理について

FXでは資金管理が非常に重要です。これは、投機や投資の本を読めばほぼ必ず書いてあることですし、私が言うまでもないことかもしれませんが、自戒を込めて記事にしておきます。

投資や投機をおこなうにあたって、資金がなければ何も始まりません。資金は絶対に守らなければいけない命のようなものです。資金管理はFXだけではなくギャンブル、投機、投資、すべてにおいて一番重要なことと言っても過言ではないでしょう。

では、資金管理とは具体的には何をすることなのでしょうか?それは、自分のトレードのリスクを認識し、損失を限定することです。トレードの破産確率を把握する方法として下記の数学者バルサラの破産確率表があります。「破産確率表」などでググれば簡単に出てきます。一番左の縦軸が勝率、横がペイオフレイシオ(平均利益額÷平均損失額)、表の中の数値は破産する確率を表わしています。

たとえば、自分のトレードがいつもペイオフレシオが4で、勝率が60%な場合、この表によると、破産する確率はゼロなのだそうです。それが勝率55%にまで下がると、0.1%と、わずかならが破産する確率が出てきます。ただ、間違いだらけの「バルサラの破産確率」右京武彦の完全自動デイトレードシステム構築実践虎の巻 でも述べられているとおりこの表はリスクにさらす資金の割合、つまり、レバレッジが考慮されていません。そもそも、「勝率」は過去のトレード結果から導き出されるもので、これから取ろうとするポジションの破産確率を表わしているわけではないのです。なので、次にトレードをおこなって負けたとき、どれだけの資金を失うかを予め把握して限定しておく必要があります。

この「1回の負けトレードで失う資金」はつまり「1回のトレードでリスクにさらす資金」なのですが、この割合はおおよそ1~2%くらいにするべきと書いてある書籍が多いように感じます。書籍や人によっては5%とすることもあるようですが私は5%は少し大きいように感じます。トレードの勝率が90%もあるのなら5%にしてもいいのかもしれませんが、私は90%の勝率は現実的な値とは思えません。

では、具体的にどうやってリスクにさらす資金を決めるののでしょうか。私はロスカットまでのpipsとレバレッジの2つのパラメータのトレードオフだと思っています。具体的な式は、

枚数 = 資金 × 賭け率 /(ストップロスpips × 1pips当りの利益)

で計算できます。この式の場合、ストップロスpipsからレバレッジを得るために枚数が左にきています。ストップロスpipsを変化させると手法を変える必要があるので、この形の方が普通だと思いますが枚数を固定してストップロスpipsを動かす方法も考えられます。計算方法は、例えば資金が100万円、賭け率が先程の解説から2%、ストップロスpipsが20、1pips当りの利益が100円(これは円建てでドルストレートを計算するときに必要になります)、とすると、

枚数 = 1,000,000 × 0.02 / (20 × 100) = 10

というふうに計算できます。10枚はつまり、1枚が1,000,000円の業者では10,000,000円、レバレッジは10倍とることになります。ストップロスを40pipsに設定した場合、枚数は5枚でレバレッジは5倍になります。また、ストップロスのpipsからそのまま利益を計算することも出来ます。上記の例だと、ストップロスと同じく利益20pipsとなった場合、資金が2%増えることになります。100pips得ることができれば5%となります。エントリーがうまければそれだけ同じリスクで大きな利益を得ることができます。逆に、エントリーがあまりうまくない場合は、ストップロスpipsを大きく取れば、利益こそ少なくなりますが、負ける確率は減らすことができます。

また、リスクをx%と限定しておくことで資金の減り具合を簡単に計算することができます。リスクx%でN連敗したとき、現在の資金からどれだけ減るかは下記の式で計算できます。

(1 - x/100) ^ N * 100 [%]

たとえば、リスク2%で3連敗したときは、(1 - 2/100)^3 = 0.98^3 =94.1%というふうになります。リスク2%の場合、3連敗したとしても-6%のドローダウンに抑えることができます。1%にすれば-3%です。勝てる手法を確立していない人は0.5%や1%などの少ないリスクでやるべきだと思います。


資金管理を徹底することで、一晩で資金1000万円すべてを溶かした、なんてことにはならないはずです。負けたときに失う資金を把握、限定しておくことはメンタルにとってもとても重要なので、必ず取り入れるべきです。


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